ようこそ!あかちゃん
こうのとりが運んできてくれるあかちゃん。
おかあさん、おとうさんに会う前に妖精たちとひと遊び。
妖精たちはあかちゃんに妖精のこころを授けます。

赤文字部分が変わります


(表紙)
(裏表紙)

 

まいちゃんのために
せかいで たった いっさつの えほん

おたんじょうおめでとう!
こころのきれいなおんなのこになってね!

200525
パパとママより

(表紙裏)
(中表紙表)

 

 

(中表紙裏)
(1)

 

ようこそ! まいちゃん
ようこそ! あかちゃん


なかえよしを・作 上野紀子・絵

 

クリエイト・ア・ブック

 

(2)
(3)

 

こうのとりが
まいちゃん
おとうさんの おさむさん
おかあさんの よしこさんに
とどけるために
かなざわに むかって
とんでいました。
まいちゃんが うまれる
2005ねんがつ25にち
1358ふんまでには
まだ だいぶ じかんも あるなぁ。
ちょっと ひとやすみして いくかな。」
こうのとりは ずっと とびつづけて いたので
つかれて いたのです。

(4)
(5)


こうのとりは きれいな おはなばたけに
まいおりました。
「きもちのいい おはなばたけだ。」
こうのとりが そういって やすんでいる あいだに
まいちゃんは はいはいして
おはなばたけの さんぽに でかけました。

(6)
(7)

 

まいちゃんが おはなばたけに
はいって いくと そこに きれいな
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
「ここからは ようせいの くにですよ。
 ようせいで ないと はいれませんよ。」
まいちゃん
なんの ことだか わかりません。
すると ようせいの おうじょさまは
まいちゃん
 ようせいに して あげましょう。」
と いって つえを ふりました。

(8)
(9)

  

すると まいちゃんの せなかに
かわいらしい はねが はえました。
はねが はえると
そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。
「わたしが ようせいの くにを あんないします。」
まいちゃん
はなの ようせいの あとに ついて
おはなばたけの うえを とんで いきました。

(10)
(11)

 

「ようせいの くにの おともだちに
 しょうかいして あげましょう。」
はなの ようせいは まいちゃん
みんなの ところに つれて いきました。
「みなさーん あたらしい ようせいの
 まいちゃんですよー。」
おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが
あつまって きました。
あたらしい おともだちが できて
みんな うれしそうです。
まいちゃん
 かんげいかいを しましょう」
みんなが いいました。

(12)
(13)

  

ちいさな ようせいたちは
まいちゃんの ために
ジュースを つくろうと
たくさん くだものを もって やって きました。
まいちゃんの ための ごちそうです。
「どうして みんな はじめて あったのに
 こんなに しんせつに して くれるの?
「だって まいちゃん
 よろこぶ かおが みたいんだもの。」
ちいさな ようせいたちが こたえました。
まいちゃんは うれしくて
ジュースを いっぱい のんで しまいました。

「それでは こんどは みんなで
 かくれんぼを しましょう。
 わたしが おにに なるから
みんな かくれて いいですよ。」
と はなの ようせいが いいました。

(14)
(15)

 

それを きくと みんなは あっと いうまに
おはなの かげに かくれました。
まいちゃんも いそいで
おはなの かげに かくれました。
でも みんな すぐに
はなの ようせいに みつかってしまいました。

(16)
(17)

 

「こんどは おにごっこを しましょう。」
はなの ようせいが いうと
「こんどは まいちゃん
 おにに なる。」
と まいちゃんが いいました。
「えっ まいちゃんが?」
みんなは おどろきました。
「どうして おになんかに なるの?」
と みんなは まいちゃん
たずねました。
「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」
と まいちゃんは こたえました。

(18)
(19)

 

みんなは まいちゃん
こころの やさしい こだと おもいました。
それで ようせいの おうじょさまが
まいちゃんを ようせいに
したんだと おもいました。

ちいさな ようせいたち みんなは
そら たかく のぼりました。
とりさんが やって きて
びっくりぎょうてんしていました。
まいちゃんは たのしくて たのしくて
いつまでも とびまわって いました。

(20)
(21)

  

あまり とびまわって いたので
みんな つかれて しまいました。
ちいさな ようせいたちは
おはなの うえに まいおりて
おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。
まいちゃんの まわりに みんな よりそって
しあわせそうに ねて しまいました。

(22)
(23)

 

しばらく ねて いると
どこからか かすかな こえが きこえて きました。
まいちゃん。」
「あっ こうのとりの こえだ。」
みんなも
「きこえる きこえる。」
と いいました。
まいちゃんが みあたらないので
こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。
「もう いかなくては。」
まいちゃんは いいました。

(24)
(25)

  

「また あそびに きても いい?」
まいちゃんが たずねました。
「でも にんげんに なったら
 ようせいで なくなっちゃうから
 わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」
ちいさな ようせいたちが いいました。
「ぜったいに わすれない!」
まいちゃんは おおきな こえで いいました。
「さようなら また くるね。」

(26)
(27)

 

まいちゃん
こうのとりの こえの する ほうへ
ようせいの くにの おはなばたけから
でて いきました。
すると まいちゃん
せなかの はねが きえました。
「さようなら また あそびに きてね。」
ちいさな ようせいたちは
まいちゃんに てを ふりました。

(28)
(29)

  

まいちゃんが いって しまうと
ちいさな ようせいたちは
まいちゃん
 わたしたちの ことなんか
 すぐに わすれちゃうよ。
 もう ようせいじゃあ ないんだから。」
「そうだよね。はねが ないんだものね。」
と かなしそうに いいました。

(30)
(31)

 

すると そこに また
ようせいの おうじょさまが あらわれました。
そして いいました。
「だいじょうぶ。まいちゃん
 こころが ようせいに なりましたからね。
 はねなんか なくても いつまでも
 みんなの ことを わすれませんよ。」
ちいさな ようせいたちは あんしんしました。
「そうだよ。まいちゃん
 ようせいの こころを もった
 ステキな にんげんに なるよ。」
「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」

(32)
(33)

  

まいちゃん
ようせいの こころ わすれないでね!

(34)
(35)

 

まいちゃん
ジュノス産院
さかもとせんせいの おかげで
しんちょう 49センチ たいじゅう 3001グラム
で たんじょうしたのでした。

おとうさんと おかあさんは
まいちゃんが うまれて だいかんげきでした。

おじいちゃん おばあちゃん 
まいちゃんの たんじょうを
おいわいして くれました。

それを みとどけると こうのとりは
まんぞくそうな かおを して かえって いきました。

ようこそ!あかちゃん
なかえよしを・作 上野紀子・絵

 

(36)